米国株の上昇を背景にリスク選好も、新規材料難から手詰まり商状に【クロージング】

30日の日経平均は反発。148.15円高の27789.29円(出来高概算10億2000万株)で取引を終えた。前週末の米国市場では、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が講演で、早期の利上げに慎重姿勢を強調したことで買い安心感が広がり、主要株価指数は上昇。東京市場にもリスク選好機運が波及し、寄り付き直後に27921.55円まで水準を切り上げ、28000円回復にあと一歩と迫った。ただ、新規の手掛かり材料に乏しいだけに買いは続かず、買い一巡後は上げ幅を縮め、こう着感の強い展開だった。

東証1部の騰落銘柄は、値上がり銘柄数が1800を超え、全体の8割超を占めた。セクター別では、33業種すべてが上昇し、鉄鋼の上昇率が4%を超えたほか、海運、非鉄金属、ガラス土石、鉱業、卸売、石油石炭の強い動きが目立っていた。指数インパクトの大きいところでは、東エレク<8035>、ダイキン<6367>、ファナック<6954>、リクルートHD<6098>、豊田通商<8015>、太陽誘電<6976>、信越化<4063>が堅調。半面、ファーストリテ<9983>、ソフトバンクG<9984>、エムスリー<2413>、中外薬<4519>、エーザイ<4523>が軟調だった。

注目されたパウエルFRB議長の講演では、テーパリング(量的緩和の縮小)について「年内の開始が適当」との見解を示した一方、「テーパリングは将来の利上げ時期を直接的に示唆するものではない」と述べ、早期の利上げ観測は否定した。景気敏感株中心に買いが優勢だった流れを背景に、東京市場でも海運や鉄鋼、非鉄金属といったシクリカル銘柄を中心に値を上げる銘柄が増加した。一方、ファーストリテが続落したほか、医薬品株の一角も軟化。また、昨年9月から11カ月続いている月末最終営業日の株安アノマリーに対する警戒感もあって、買いを手控える要因になったと想定される。

パウエルFRB議長講演という重要イベントが波乱なく通過したことがプラスに作用したものの、新型コロナウイルスの変異株(デルタ株)の世界的な感染拡大懸念が依然、くすぶっているほか、今週は米国では9月3日の雇用統計など重要な経済指標の発表が予定されている。米中景気の回復度合いが鈍化してきていることもあり、見極めが重要な局面となりそうだ。

《FA》

提供:フィスコ
石炭、土石、通商、中外、指数、石油、金属、海運、東証、鉄鋼

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です