価二極化、地方創生戦略が必要だ

[PR]

 長引くコロナ禍で地価動向の二極化が一層鮮明になってきた。

 国土交通省がきのう発表した7月時点の基準地価で、道内は住宅地平均が前年比プラス0・3%となった。実に30年ぶりの上昇だ。

 全国の上昇率上位10地点のうち9地点を道内が占めた。2年後のボールパーク開業に向け周辺開発が進む北広島市を中心に、札幌圏での旺盛な住宅需要が際立つ。

 商業地は2年連続下がったが、全用途でも30年ぶりに上昇した。

 とはいえ全道では半数以上の地点が下落した。旧産炭地や需要を失った観光地の低迷は深刻だ。

 地価は地域の活力を表す指標でもある。だが景気回復の実感がない中でのバランスを欠く動きは、格差やひずみを広げるだけだ。

 国や自治体は再開発や観光偏重から脱し、一極集中を是正する地方創生戦略を深める必要がある。

 全国の基準地価は住宅地がやや改善する一方、店舗やホテル需要低迷で商業地は下落幅を広げ、全用途平均では0・4%下落した。

 住宅地上昇率1位は観光開発が進む沖縄県宮古島市だが、2~10位は札幌圏4市8地点とニセコ地域の後志管内倶知安町だった。

 全国でも突出した伸びだ。高値が続く札幌市から割安な周辺に人気が移り、テレワークに伴う戸建て志向や金融緩和による住宅ローン金利安が助長したとみられる。

 不動産活況はプラスの側面もあるが、景気低迷で所得が上がらぬうえ、ローンや家賃負担だけが増す恐れがある。注意が必要だ。

 北広島市は商業地上昇率でも全国5位に入った。上位は大規模再開発が進行する福岡市に集中しており、金融緩和であふれた資金が特定地域に集中する構図である。

 一方でJR函館駅周辺が4、5%下落するなど、コロナ禍の行動制限で観光地や繁華街は全国的にも地盤沈下が止まらない。

 店舗撤退が進めば、経済だけでなく治安上の不安も生じる。住民の心理的なダメージも大きい。

 政府がインバウンド(訪日外国人客)以外に効果的な成長戦略を示さなかった結果ではないか。

 コロナ禍の密回避が東京一極集中を緩めるという期待もあった。だが、長野県軽井沢町など首都圏に近い別荘地の地価が上昇した程度でいまだ効果は限定的だ。

 ただ、次世代型路面電車(LRT)を活用したコンパクトな都市集約を図る宇都宮市や富山市で上昇するなど注目する動きもある。道内中核都市でも施策効果を検証し、参考にしてほしい。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です