米中問題を懸念したリスク回避の動き【クロージング】

29日の日経平均は大幅続落。639.67円安の29544.29円(出来高概算16億株)と4営業日ぶりに3万円の大台を割り込んで取引を終えた。米国株が長期金利上昇や債務上限交渉の行き詰まりで売られたため、リスク回避の動きが波及したほか、9月配当落ち分が185円程度あったことも影響した。ただ、自民党総裁選の結果判明を目前に、開票結果への思惑から後場半ばには29329.16円まで下げ幅を広げる場面も見られたが、引けにかけては下落幅を縮めていた。

東証1部の騰落銘柄は、値下がり銘柄が1700を超え、全体の8割超を占めた。セクター別では、空運を除く32業種が下落。精密機器、電気機器、銀行、保険、機械などの下げが目立っていた。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>、JR東海<9022>、塩野義<4507>、クレセゾン<8253>、川崎船<9107>がしっかりだった半面、東エレク<8035>、アドバンテス<6857>、ダイキン<6367>、リクルートHD<6098>、信越化<4063>が下落し、これら5銘柄で日経平均を230円超押し下げた。

前日の米国市場は、債務上限問題にかかわる法案が上院で否決されたことでリスクオフの動きが加速したほか、米連邦公開市場委員会(FOMC)以降、米金利の上昇が続いていることも逆風となり、主要株価指数は大幅に下落。東京市場でもグロース株やシクリカル銘柄など幅広く売りが優勢となった。また中国では、政府が環境政策を重視する影響で深刻な電力不足が起き、工場の停止が相次いでいるため、中国経済の先行き懸念が台頭。上海市場などが下落していることも投資マインドを悪化させていた。

日経平均は大幅に下落したが、「年末や年度末に向けた先高観は不変」と見ている投資家は多く、「9月相場の上昇ペースが速かっただけに、当面の利益を確保する動きが強まった印象」との見方が大半だ。先駆した海運株などの動きをみていると、マクロ系ヘッジファンドの機械的な売買が主体と見られ、「株価水準が下落した場面では絶好の押し目買いの好機になる」との指摘も聞かれる。ただ、米中の懸念材料がある程度織り込まれるまでは、目先調整色の強い展開を強いられそうだ。

《FA》

提供:フィスコ
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